あれから日は流れてしまった。 それが悲劇。 職場では凛とした態度をとり、 いつもと変わらぬ連絡のやりとりを祐樹とし 何もなかったことに仕立てたかったのかもしれない。 上手くいっている。 高級安定剤の祐樹は効きが良い。 声を聞くだけで、 存在を考えるだけで またたく間に幸せを取り戻していった。 普通“犯された”ならばこんな回復っぷりはありえないだろう。 ……違う。 完璧に犯されたのではないのだ。