そして、その妻もさることながらだ。


どういうことか子作りに専念させるという策に出たらしい。


華子には到底知りえぬ、未知の空間がそこには広がっているのだろう。




「まったく……もう50過ぎているのよ?

気持ち悪い」


総師長がついうっかりといった感じに毒を吐いた。



人々の警戒は

時間とともに薄れる。



偉大な預言者によるなんたらという宣言も

今となっては絵空事。



華子のまわりの環境もそれと違いない……。



しかし、この曰くつきの平穏は意外とな長く続いたのだ。