いつからあたしは始まりを心待ちに出来なくなったのだろう。ブランコを揺らして思った。

けれどその先に考えを進めることは出来なくて「今のあたしってリストラされた男みたいだな」そんなどうでも良さそうなことを考えた。

リストラを家族に言えず、毎日スーツを着てブランコを揺らす男。

きっと彼らでさえ始まりの季節は嬉しいものなのだろう。