【完】絶対引力



―――…。


砂浜に座るあたしと優。


「伊織さ…。」


優が話し始めた。


「東京に行ったんだって。」


「え…っ?」


じゃあ会えないじゃんっ。

何で東京なんて行ってんの!!


「俺、東京行くってこと知ってた。行く理由も。でも行くのは明日っていってたんだ。」


膝に腕を置いて下を向く優。

風で黒い髪の毛がなびく。


「理由って…なんなの…?」


「会いに行くって…。」


え…?誰に。

それに何で今日行ったの…。