運命のレール

(もう恋愛なんてしたくない…)



そんな事を考えながら学校に通っていた。
すると珍しい人が居た。



名前は祐介。21歳。
高校中退だった為、去年からこの学校に来たんだ、と話してくれた。
祐介は仕事をしている為になかなか学校には顔を出さない、所謂レアモノ。



そんな彼とは最近ばったり会う機会が多かった。
彼も似たようなものを持っていたため、話しやすかった。
仲の良い友達…
それで終われば良かったのに。
今更ながらそう思う。





私は知らずのうちに彼に惹かれていた。
彼の家にちょくちょく泊まりに行くようになり、半同棲にまでなっていた。




彼の親とも仲良くなり、とてもいい感じだった。



『結婚しよーね！』


いつしかこんな言葉を交わし合った。




半同棲を続けてから何週間か経った時、私は祐介にある相談を持ち掛けた。



『大丈夫だよ。変に心配すんなって』



彼はあまり気に掛けていないようだった。





生理が来ない…
私はこう相談していた。
不順ではなかったために更に不安は重なった。




予定日を過ぎてから1ヶ月、私は市販の検査薬で調べることにした。





(え…うそ…)




頭が真っ白になった。
判定は陽性。
妊娠していた。



祐介も納得せざるを得なかった。



『産もうよ！
俺と奈々の赤ちゃん。』




彼からそんな言葉を聞けるとは思わなかった。
私があんぐり口を開けてびっくりしていると、



『産みたくないか？』
と残念そうに聞いてきた祐介に私は泣きながら抱き着いた。





『ありがとう…』


ものすごく嬉しかった。
祐介との赤ちゃんが産める。