今はまるで犯罪者の忍び足。 ただ娘に会いに来ただけなのだから…… 何の邪もないのだから、胸を張って歩けばいいではないか。 何度もそうやって、呪文のように……。 ……コツッ……コツン…… ヒールの音が響けば響くほど、身が縮こまるのを感じ 度々、後に誰かいるのではと挙動不審になってしまう。 誰かの視線を感じるから?? 当たり前だ、沢山の職員がいるのだから。