「俺に言いたくねぇなら別にいいけど、ジジィには言ってやれよ。世話んなってんだろ?」 ぶっきらぼうな、突き放した言い方なのに。声は優しいなんて…卑怯だ。 何も言えないまま、私は部屋を出た。 榊さんが言ってる事は正しいし、教授が心配するのも無理ない。 でも…言えない。 言えるもんなら…とっくに言ってるよ。 何とな~く、気まずい雰囲気の中5日目が始まって。 だけど、まさか午後からあんな事件が起きようとは…今の私にわかるわけがなかった―――。