「親父さんも知らなかっんだよ。まさか息子の彼女の父親だなんて。
まぁ、知ってたってどうしようもなかっただろうけどな。彼女の父親が金借りてたのは事実なんだし」
「…そう…ですよね」
「だからあいつが自分を責めんのも、親父さんを憎むのも間違ってんだよ。
人は変わるし、変われんだよ。きっかけさえありゃ何度でもな」
「……え?」
その言葉に思わず顔を上げて社長を見た。
社長は雨の中をまっすぐ見つめていたのに、私に向き直ると
「……お前もな」
そう言って私の頭をポンポンって、温かくて大きな手で撫でた。
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