睡眠薬に逃げ、夢と現実の世界を彷徨った。
だけどそんなことしても雅樹が戻って来るわけでも私のサインが消えるわけでもない。
薬断ちを決め、いくつものバイトをしてお金を作った。
雅樹のためじゃない。
自分のため、新しい家族のためだ。
眠くてもお腹がすいても、肉体労働で体中が筋肉痛で痛くても歯を食いしばってがんばった。
………だけど。
だけどさすが、ヤミ金さん。
働けど働けど…返せど返せど、元本は消えず…。
天使か悪魔か…相模さんの提案により、私は「ルージュ」に売られた。
私も落ちたもんだ…もうどうにでもなれと諦めた。