―――。
今だけ…お願い。
今だけ、ほんの数分でいいから…時間よ止まれ―――。
社長の腕の中で、そんなことを心の奥の奥の、ずぅー…っと奥の方でちょっとだけそう願ってしまった。
社長はおとなしくなった私の頭の上に自分の顎を乗せ、短いため息をついてから
「お前みたいな女、初めてだ。毎日が驚きと呆れと…笑いでいっぱいだ。
童顔で酒癖悪くて不安定なお前のことが…」
そう言ったところで、私はクルッと反対向いて社長と向き合うと
急いで社長の口に自分の手の平をあてて
「…ストップ!!」
そう叫んだ。
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