「…………」


安藤の母親が……あの有名な"彩"―――




俺たちの世界で、その名前を知らないヤツは居ない。知らないなんて言語道断と言ってもいい。


誰もが知ってる名前だ。



その娘が……安藤。


どおりであんなにケンカが強い訳だ……。




「あたしは……生まれた時から黒薔薇に入ることが決まってたの」


安藤はそう言うと、持っていた箸を置いた。