駅で電車を降りた俺たちは、そのままプラプラと歩いた。




「はぐれんなよ」


「言われなくても分かってるよぉ」




そう言って唇を尖らせる安藤。


その姿が、無性に可愛い。




「……ん」


俺は安藤に右手を差し出した。




「えっ?」


「手。……はぐれないように」