「あっ、ごめん。……イヤだったよね?」


安藤は俺の髪の毛から手を離すと、俯いてそう言った。




「……いや。そんなことねーよ」


俺は小さく呟いた。




「えっ?」


安藤は俺に視線を向けた。




「女に髪の毛触られるのって初めてだったから、なんか不思議な気分だった」


しかも、それは好きな女だから。