友だちにもらったバトルえんぴつを折られた。



大好きなマンガをやぶられた。



まだクリアしてないゲームソフトをこわされた。


お年玉、もうないのに。



ちさとはぼくが夢中になるものを、全てをこわしてしまう。


だからこのごろはゲームだって見つからないようにやってたのに、

部屋でかくれんぼしてるなんて、思わなかった。


しかもぼくがおにで。



それでも、ちさとのことは怒っちゃだめって、お母さんに言われた。


お母さんに、ちさとは心の病気だからいじめちゃだめだって言われて、

ほっぺたを叩かれたのは、ぼくが小学二年のときだ。


ぼくがちさとをおいてけぼりにしたとき、

"ほっさ"が起きてしまったって。



病気の人には優しくしなきゃいけないって学校でも習ったし、

それぐらい言われなくてもわかってる。



でも、病気の人は何してもいいの?


人のものかってにこわしていいの??



お母さんがこわくて言えないけど、

ぼく、本当はちさとのこと、やだ。