―シャリシャリ。
音が身近に感じてくる。
―シャリシャリシャリ。
寝返りを打つ。
…つもりが、体が言うことを聞かない。
―シャリシャリ。
ちょっと力を入れてみる。…動かない。
―シャリ、
音が止まった。
「…………そーた」
ほんのりと、僕を咎める声がした。
目を開くと姉さんが、真っ白な部屋の窓際で光を浴びながら立っている。
…そうだった。
僕はあれから病院に運ばれて、あっちの世界とこっちの世界を、しばらく行き来してたんだっけ。
そんな事を思い出してから、散った気を拾い集めた。
姉さんの手には、林檎と小さな包丁。
その姿はあまりにちさととそっくりで、
あの、目を細めて、人差し指で僕の前髪を絡め取るようにしながら向けた笑顔の残像が被ってしまう。
けど、その人は僕を"そーた"と呼ぶ。
その人は、ちさとじゃない。
音が身近に感じてくる。
―シャリシャリシャリ。
寝返りを打つ。
…つもりが、体が言うことを聞かない。
―シャリシャリ。
ちょっと力を入れてみる。…動かない。
―シャリ、
音が止まった。
「…………そーた」
ほんのりと、僕を咎める声がした。
目を開くと姉さんが、真っ白な部屋の窓際で光を浴びながら立っている。
…そうだった。
僕はあれから病院に運ばれて、あっちの世界とこっちの世界を、しばらく行き来してたんだっけ。
そんな事を思い出してから、散った気を拾い集めた。
姉さんの手には、林檎と小さな包丁。
その姿はあまりにちさととそっくりで、
あの、目を細めて、人差し指で僕の前髪を絡め取るようにしながら向けた笑顔の残像が被ってしまう。
けど、その人は僕を"そーた"と呼ぶ。
その人は、ちさとじゃない。


