春はタンポポ、夏はヒマワリ、

秋はコスモス、冬はパンジー。



ちさとがぼくにくれた花たちだ。


つゆになると、これがアジサイになる。




ちさとは、ぼくにいじわるをした後はいつも、

ぼくの部屋にこっそりと花をおいていく。


花さがしにつき合わされるお姉ちゃんから聞いた話だ。



ぼくが右手をけがした次の日には、

色んな色の花びらがはいった氷がおいてあった。



すぐにとけちゃったけど、

透明のコップに入れられてたそれはすごくきれいで、きらきらしてて、

そのあと何回も自分で氷らせては、部屋にかざった。



ほんとは、ちさとは、優しい子なのかもしれない。



ちさとが毎日まいてくれた右手の包帯は、もう取れている。