懐かしい石田さんの声。 やさしい声だ。 アタシは嬉しくて笑顔がこぼれる。 「元気…です。 すごく元気です。 石田さんもお元気でした?」 「元気よ? 東京の生活と別れてこっちに戻る時はうまくやっていけるかなあなんて思ってたけど戻ってしまえばこんなもんね。 昔住んでたからすぐに馴染んじゃった」 電話の向こうで笑いながら彼女は言う。