小野先生とアタシ


「そこにいるんだろう?」

その声にギクッとする。



そっと黙って逃げようとするとまた声が聞こえた。

「構わない、入りなさい」



「…すいません…
そんなつもりじゃなくて…」

そう言ってアタシはためらいながらもその部屋へと入る。




防音の施された部屋。

本格的なんだ。

部屋の真ん中にはピアノとそれから側に椅子が一脚。



他には何もない。