小野先生とアタシ


「俺、経済。
アンタは…そうだなあ、見た感じ、外国語学部?」

アタシはチラリとその学生をもう一度見た。



彼はアタシの半透明のカバンの中に見える英語で書かれた数冊の教科書を見ながら言っていた。



なに、カンで当てたフリしてんのよ。



「総合教育の授業はこうしていろんな子と会えるから結構楽しいよね?」

アタシはさっきから無視しているというのにコイツは一方的に話しかけてくる。