「あ、そうだ。
じゃ、住所教えてくれない?」
え。
えーと、決まってないのに住所なんかあるわけない。
「あの、まだ…えっと覚えてなくて…。
また今度でもいいですか?
それより早く片付けを…」
「あ、そっか、そうだね」
やさしい笑顔で答える石田さん。
ウソをついてしまうとまたウソを重ねてしまう。
こうなると自分でもきっと何が本当かウソかわからなくなってしまうんだろうな。
そして荷物の片づけがひと段落ついたとき
石田さんは思い出したようにアタシに言った。
「…そうだ、
チサトちゃんに渡したいものがあったんだった」

