次の授業休講か。
何して時間つぶそうかな~。


お昼が終って、少し眠くなってきたこの時間。


あたし、土屋美香はふらふらと大学内をさまよっていた。





柔らかな茶色い猫っ毛がふわふわと風に揺れている。



あたしは某国立大学に通う一年生。


男手一つで育てられたあたしにとって、大学に行くことはとても難しいことだった。


上京して一人暮らしをすることになり、パパを一人実家に残してこなければならなかったからだ。




地元の大学も考えたけれど、どうしてもこの大学でやりたいことがあり、一生懸命頼みこんで、やっとのことで了解してくれたのだった。



実家に残してきたパパのためにも、あたしは精一杯この大学で充実した生活を送ろうと決めていた。