「じゃ、帰りますね…」 そう言ってソファーからおり鞄を持ち上げた彼女。 「あ、送ってくよ!」 俺の口からは、自然とこんな言葉が出ていた。 「え?…でも…」 また困ったような顔をした彼女。 「大丈夫!俺が送りたいだけだし」 彼女とまだ別れたくない。本当にそう思ったから。 いつもの自分だったらこんなこと言うはずがない。 自分でもびっくりだった。