風のおとしもの。




「……今回だけだぞ」

「先生!」


私が顔を上げると、山口先生は苦笑いする。


「ありがとうございます!」

「ん、なら任せたぞ」

「はい!」


そう言って、山口先生は職員室の方へ戻っていった。



話が落ち着いて安堵したが、はっとなり周囲を見回す。
今更廊下にいたみんなの視線が釘付けなのに気付き、居心地が悪くなる。
そそくさと図書室に向かったけれど、今は周りの視線よりも初めて先生に食い下がったことでドキドキした胸を落ち着けるのに必死だった。