「里香、パス」 「佳代ぉ!」 「私もそんなに余裕ないから無理」 「そんなぁっ……」 「ま、頑張りなよ」 あからさまに落胆する美紀の肩を叩くと、佳代は席を立った。 「あれ、もう帰っちゃうの?」 「ちょっと図書室で涼んでく」 「なら一緒に行くよ!そんで一緒に勉強―――」 「里香、パス」 「佳代ぉ!」 佳代はじゃあと手振り、教室を後にした。 その後姿にため息を零した里香は、美紀の視線に気付いた。