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図書室を出ると、廊下は熱気で溢れていた。

夏でも長いカッターシャツを着ている私には、少し暑すぎるかもしれない。
半袖のシャツは入学した時買ってもらったから、なくはない。
でも半袖だと教室のクーラーが寒すぎるし、何よりこの貧相な腕が人目に晒されるのが嫌だから。


「私はホント、ダメだなぁ……」


呟く声も掠れる。

のど、渇いたなぁ…。
帰ったら麦茶飲もう。


階段を降りながら、佳代さんの言葉を思い出す。


『友達ごっこ』………か…。
あの優しさも全部、嘘だったって言うの?
あんなやわらかい笑顔が、全部……。

………自分の都合のいいように解釈するのはやめよう。
調度夏休みだし、逆に良かったかもしれない。

短くため息が出る。



下駄箱まで来ると、大きな音がした。
……誰かいるのかな。