べきっ。
また壊れた。

……っなんでこんなに脆いんだ!


だんっ。
今度は腕を振り上げる。

くそ………っ!
なんで、そんなに脆いんだ……っ。


すぐ俯いてビクつくくせに、妙に強気だったり。
弱いくせに、他人の心配ばかりする。
それが自分を追い詰めてるって、なんでわからないんだ…!

ふらふらになりながら母親の看病して、なのに困ってる患者がいれば手伝う。
疲れた顔してんのにいつも決まった時間に病院の図書室で勉強する。
だいたい寝こけてやがったけど、毎日やつれた顔してた。
俺が声掛けようが泣き言一つ言わない。
へらへら笑って、でも目元にクマがない日はなくて―――



「くそっ!」


ばんっ。
また一つ下駄箱が壊れた。

右手がじんじんする。
痛みはない。
……ただ、手が…頭が熱い。