あぁ、何だか眠くなってきた。


アルバムを閉じてベッドに横になると、あっという間に深い眠りについた。


「……ん、直也…」


ん…?


うっすら目を開けると、少し大人になったひよこが俺を心配そうに見ていた。


「ひよ…こ…?」


「直也……ん…?」


「ひよこ…大人になったね…。凄く可愛いよ…。俺、ずっとひよこに会いたかったんだよ?夢でも会ってくれないし…」


「直也……ん…?」


「ひよこ、大好きだよ…。愛してる…」


ひよこをギュッと抱き締めると、彼女の唇にキスをした。


いつ以来だろう…


ひよことキスしたのは…。


「直也……ん、どうか…幸せに…なって…」


どうして泣きそうな顔してるの…?


「俺の幸せは、ひよこのそばにいること…」


「そんなの…無理だよ…。一緒に…前向いて歩こう?枢もいるし、和也くんもいるし、お兄ちゃんもいるし、私もいるから…一緒に前に進もう…」


前に…?


俺、後ろばっかり見てたのかな…?


グイグイっと俺の手を引っ張るひよこを見て、もう二度とひよこと会えない気がした。


これで、本当にお別れなんだ…


辛いハズなのに、心は穏やかでスッキリとしていた…


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