「兄上!私たちなら大丈夫です!!なのでどうか…どうかそんな無茶は!!」


「心配するな、そなた達だけでもこの忌々しい場所から抜け出すのだーー」


薄暗い不気味な場所、そこは父の腹の中ーー
生まれて間もない頃から兄弟達はこの中で育ってきた


「しかし兄上!!父がここから抜け出そうとしている事を知ればーー父の恐ろしさは兄上が一番しっているでしょう!!」


「…だからこそ―だからこそここからそなた達を救い出したいのだ!!」





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「お母様、見てッ!!綺麗なお花がこんなに!!」


太陽のような美しい笑顔をむけた少女が大好きな母にかけよった


「えぇ、本当に美しい花ね。でもコレー、あまり遠くへ行っては―」


「分かってるわ、お母様。私だってもう立派な大人よ?」


そう言った少女、コレーは到底“大人”という年齢には見えない


「よく言うわ…あなたは私の大切な一人娘。私にとってはいつ見ても子供よ―」


「もぅッ!!お母様ったらひどいわ!!」


コレーは頬を大きく膨らませた。
やはりその姿は幼くて・・・


―「やっぱりまだまだ子供だわ」
母は優しく微笑んだーーー