冥王の花嫁


「やぁ、兄さん。こんな所まで何のようだい?」


そんな神殿に不釣り合いな間抜けな声を発したのは、ここの主であり、彼の弟、ゼウス。


黄金のように光り輝く髪に、空をそのまま写し取った様な、澄んだ碧い瞳を持った美しい青年だ。


性格はとても明るく、、、
と言うよりは適当過ぎるほどの陽気もの。
それでも神達の王だと言うのだから驚きだ。

そんな弟に呆れながらも、声をかける。


「はぁ……お前はいつまで経っても幼児のようだな。いい加減落ち着いてはどうだ?」