冥王の花嫁


『それもそうでございますね・・・では陛下、私どもは先に下がらせて頂きます。』


ミノスはそう言うと、アイアコスの腕をガシリと掴み、足速に廊下の向こうへと去っていった。


「本当に変わった奴らだな・・・」


ポツリと呟いたその言葉に、ヘカテも小さく頷いた。





「ところで陛下――」


ミノス達の姿が見えなくなったと同時に、ヘカテが口を開く。


「何だ‥‥‥」


「先ほどの話、聞いていらしたのでしょう?立ち聞きなど陛下らしくありませんね。」


「・・・」


―――やはり気付かれていたのか……

彼女の言葉にドキリとする。


「みな、陛下に直接はおっしゃりませんが心配して居るのですよ?いい加減、私達にも話していただきたいものですね。」