【実話】親愛なる幸せへの回り道


【嘘でしょ?】

【!?】

…菜々子?

なんで?






【はぁ〜上村くんは、

真里のこと

ほんっと分かってないんだね。

これじゃ

真里が好きになるわけないよ。】






【な、なんだよ?】




【…あの携帯には、

真里が大好きな人との

唯一の関わりである、

アドレスが入ってるの!


私はちっちゃいときから、

真里の友達なのっ!!


だから分かる!

真里はどんなことがあっても

絶対に、そういう大切な

ものを捨てたり

無くしたりするような人

じゃないっ!


もし本当に真里が

携帯忘れてるなら

絶対にとりに帰ってるはずっ!


さっきまりにメールと、

電話もらってから

何時間もたってんだよ?


…ほら真里!

そこにいるんでしょ?】






…こんなに菜々子が

私のことを知ってて、

分かってくれてるなんて

思わなかった。




そして私は

精一杯の力をこめて、

陵の手を押しのけた。





【菜々子っ!】