「ほんま、あの子は気ぃ短いわぁ。かなわんなぁ」


口調は同じなのに、表情だけが違う。それは烏丸がこの屋敷にいる人間の誰にも見せたことのない顔。それが本来の彼の顔なのだということを知っているのはただ一人だけ。


その一人というのが彼らを雇っているボス。
彼らはボスのことを“カメリア”と呼んだ。そして彼の組織した集団をも総称して「カメリア」という。


カメリアを構成するのは現在七人。烏丸や侘助、海棠を始めとするひと癖もふた癖もある人間たちが集まっていた。


彼らの仕事は簡単に言えば“暗殺”であるが、時には別組織から依頼人を守る警護の仕事もあった。勿論その場合には別組織の人間たちを殺すことも多々ある。


どういった経緯でカメリアに選ばれたのか。
それを互いに暴くことは禁じられていた。それ故に彼らの仲は一定の距離をもって保たれているのだ。
先程の様に烏丸が侘助の中に踏み入ろうとすれば容赦なく銃弾が飛ぶ。
無論、烏丸の場合はワザと相手をからかって遊んでいるのだが。侘助にはそれが癇に障って仕方がないのだ。