ぎろりと目線だけで烏丸を見た侘助は口を開かない。喋る気は毛頭ないらしい。そんな彼女を細い目を更に細く、糸のようにして見ていた烏丸は短く息を吐いた。


「ケチだわぁー、僕は侘助のこともっと知りたいだけやのに」


そう呟く烏丸の表情はやはりヘラヘラしていて、真実味に欠ける。


「嘘臭い」


冷たいひとことをこぼし、侘助はソファから立ち上がった。そしていきなり黒皮の編み上げブーツに包まれた片脚を、ダン、と二人の間のテーブルに乗せた。派手な音に居間の空気が震えた気がした。


「わぁお、いい眺めやん」


目の前に迫る剥き出しの太股に、烏丸の視線が這うように注がれた。遠慮も何もない不躾な視線。それはもちろん彼女のミニスカートの奥へと進む。


「余計な詮索をするなら、殺すから」


侘助は冷たい声音で言いながら、カチリ、といつの間にかブーツの中に忍ばせていた自動小銃を構えていた。照準は正確に烏丸の額である。気の短い彼女である、本気で撃ちかねない。


「はいはい、もう詮索しぃへんから、許して」


烏丸は慌てて両手を合わせた。