たしかに優輝とあたしが住んでいるところは、片道だけで五時間はかかる。 優輝とあたしは高校が一緒で、ずっとあたしの一方的な片思いだった。 それでも、卒業式に意を決して告白をして今に至る。ってわけ。 卒業と同時に有名な医大に行くためにすぐに引っ越しをしてしまった優輝。 一緒にいれたのはほんの1ヶ月だけだった。 それでも不器用なりの優しさがあって、休みがあるたびにわざわざ向こうから会いに来てくれるのだ。 だから、嫌いになんかなれなかった。