「何で…」 桃井がむっと、表情を曇らせた。 「い…、いつからなんだ?」 「何が?」 「ぼ…、僕を一目ぼれだって…いつからなんだ?」 「何だ…そんな事…」 「そんな事って…僕には大問題だ!」 桃井は僕の頬からするりと手を離すと、代わりに、僕の指に触れる。 人差し指、中指…薬指に到達すると、桃井は薄い唇を軽く押しつけた。 それから、静かに、それこそ歌うように、囁いたのだ。