そうじぃさんは笑う。
少し寂しそうにも見えた。
「俺は、その場所を誰にも証さないし、ひっそりとハルカだけを救いたい。」
「キース…」
何とか教えてくれないかと、俺はじぃさんに熱い視線を送り続けた。
『確かに、その花は在る。しかし、効果は知らんし、嘘か本当かも分からんぞ?』
「それでも!可能性があるのなら。」
もう…、
後悔はしたくない。
『しかし…、ふむ。「花の蜜」には変わりないからのぅ…。怪我や病気、ハルカの羽根なら治せるかもしれんな…。』
じぃさんは優しく光を降らせた。
その言葉に、思わず俺の堅い表情も少しゆるむ。
「……では。」
『あぁ、行くがいい。ただな、試されるからのぅ。簡単ではないぞ?危険かもしれんぞ…?』
…試される?
誰にだ?
危険は承知だ。
そして、場所は!時は!
俺は詳細を聞きたくて、じぃさんを見上げながら一歩前へ出た。
―― グッ…
と、後ろから服を引っ張られて、驚いてハルカを見る。
「キース、行かないでいいよぉ…。あたし平気だよ。」
…心配をしているのか?
「キースがずっと一緒にいてくれるなら、あたし『このまま』でいい!危ない事しないで…」