記憶 ―夢幻の森―


ハルカは生まれた時から、
四枚あるべき羽根が二枚しかない。

原因は分からないが、もしかしたら私たち親が人間の街で暮らしていたせいもあるかもしれない、とセイジさんは言った。


羽根が二枚という事は、どういう事か。

魔法が使えない。
飛べない。

加えて、
妖精の命の源である「魔法の力」が不安定で、徐々に外に放出されてしまう。

それを押さえる為に、毎日『花畑の露』を飲んでいるのだと説明してくれた。


その為に、この里へ家族で越して来たのだろう。



「ハルカぁ。食後のお茶入れるの手伝ってぇ~?」

「はぁ~い、ママ!」

ユリネさんに呼ばれて、明るくキッチンへと向かうハルカ。



「ハルカは、あの通り明るく育ってくれたんだがね、周りに受け入れてもらえなくて少し臆病になってしまった。」

と、ハルカの去るタイミングを見計らって、セイジさんは言った。


「私たち親も、人間の街から越して来たり…変わっているからね?なかなか友達も出来なくてね…。」

「そうですか…」