記憶 ―夢幻の森―

……
…

月夜の晩に

集める光


果てしない楽園へ

私を導くもの

生まれた意味を知る


時空を越えて

失われた

星の記憶を知る

…
……


甘く澄んだ高い声は、そんな歌詞を歌って止んだ。

まるで、
謎かけの様な
俺に対するヒントの様な…

きっと、それは歌詞の一部で、答えは見つからない。


俺は少女の姿を求めて、前へ進んだ。

…どこだ?
歌詞の意味は?
続きは…、何だ?


大きな露の水溜まりが視界に入る。
その水面の向こうで、人工的な光が揺れていた。

あれは…
赤い…

「…ランプか?」

俺は目を細めて呟いた。


「…誰?誰かいるの?」

赤く光るランプを手に、彼女は立ち上がり警戒していた。
ランプがゆらゆらと、彼女の姿をも照らす。

今の俺と同じくらいの年頃の少女だった。


「…あ、あの……」

何と話しかければいいのか、俺は戸惑った。

警戒するな?
いや、して当然だろうし。

俺が立ち尽くしていると、

「…あなた、人間?」

彼女は首を傾げて、疑っているような目を向けた。
責められているような、そんな気分だ。

俺は彼女を見据えたまま首だけで小さく頷いた。