紐が少女の体をしばり…。





身動きとるのも難しい中。





ただ苦しみながら歩いていく…。






歩いてもその紐は少女から離れない。







解けずそのまま少女の体にまとわりついて。







誰も紐を解いてくれず…。





苦しい中歩いていく。






悲しいはずなのに………。





辛いはずなのに…………。





でもその少女の目には涙さえ浮かんでいなかった。






いつの日か






その少女は





『感情』というものを忘れていた。





笑うこともない。






泣くこともない。





ただ…。





ひたすら歩いていくだけだった。





歩いた先に何があるのか…?





希望?光?自由?





少女は何を考えて…。





少女は何をしたいのか…。




それは誰にも分からない。




でも…。

『感情』を忘れてしまった少女の目には何も浮かばない。





その少女は何の為に歩いているかも分からない。