美亜は俺を包んでくれた。 俺はもう美亜から離れられないと感じていた。 「だから人間不信なんだね、隆介」 「それだけじゃないけど。彼女にも裏切られたし」 これも俺が封印していた思い出。 誰かに話すことで楽になれるなんて知らなかった。 「完璧な二股だよ。彼女に裏切られたことよりも、先輩に裏切られたことが悔しかった。でも、それ以来女ってのは信じちゃいけないって思うようになった」 そう言いながら、もう俺は美亜のことは信じられるようになっていた。 言わないけど。 ちゃんと、信じてる。