手に入らないとわかっていても、手を伸ばしてしまった。 初めてだった。 欲しいものを我慢するのが得意だった俺なのに、鈴子だけはどうしても欲しいと思ってしまったよ。 もう遠い昔の話だけど。 今でも浮かんでしまう。 あの夏の悔し涙と、忘れることのできないときめき。 鈴子・・・・・・ やっぱり永遠にお前のことが忘れられないのかな、俺。