―2度目―


明らかに卓弥の様子がおかしい。

美亜と4人で食事したあの日から。




俺に聞きたいことがあるのに、聞けないんじゃないかと思う。



「何だよ」



「いや、何でもない」



こんな会話を繰り返した。





美亜の携帯番号もメアドも聞いてない。


向こうからも聞かれなかった。




知りたければ知る方法はいくらでもある。



ゆかりちゃんに聞けば、卓弥経由でわかることだし。





別に期待していたわけじゃないけど、アイツは俺に惚れたと思った。



なんとなく。




どうやら違うみたいだ。




誰にでも気のある素振りをする思わせぶりな女だったのかもしれないな。



一瞬でも、美亜に対して特別な感情を抱いてしまったことを後悔した。