「どっちがうまい?」
俺は質問しながら、ある決意をしていた。
もしも・・・・・・
美亜がうまいと選んだオムライスが俺と同じだったら・・・・・・
俺は美亜をかわいがってやろうかなってさ。
「まるごとトマトの方が好き!」
おい。
唇にトマトソースついてるし。
まじで、小動物っぽい。
「あ~、俺も」
あ~あ。
同じだった。
まるごとトマトオムライスを美味しいと感じた俺と美亜は、きっとどこか似ている。
初対面なのに、こんなことを感じてしまうのはどうしてだろう。
会ったばかりなのに、ずっと前から友達だったような安心感があった。
過去の辛い恋愛の思い出を引きずっていた俺にとって、美亜との出会いは変な胸騒ぎを連れてきた。

