「春の目標は?」


「納得のいくピッチングする。バッティングも安定させたいかな」



隼翔の納得はあたしなんかとは遥か掛け離れたレベル。


自分には厳しい。
なのにあたしや陸たち弟には優しい…。そこが隼翔の一番いいところかもしれない。



「桜山がまたバス出すらしいから時間あったら来てな」



「春は暇だらけなはずだから行くね。菜緒とも話してたし」



「ん。春からは4番に固定って監督にも言われたから」



秋も4番が多かったものの、
監督の采配はコロコロと変わったりもしていた。



「そっか!前よりいい成績上げれたらええね」



あたしがそう言うと微笑んだ。