頷いたあたしを
更に強く隼翔は抱きしめる。


「隼翔に言いたかった。
助けてよって」


泣きながら隼翔に話す。


「全部菜緒から聞いた。
「真帆を不安にさせてるのは
誰よ」って怒られた。
今日,投げるときにも
菜緒に言われた言葉が
頭から離れなくてさ、
ごめん,真帆。
不安にさせちゃってたな」



優しい隼翔に涙が止まらない。



「隼翔も…」


「ん?」


「隼翔も不安になった?
涼とのこと聞いて…」


「当たり前だろ。
野球以外をこんなに執着する
なんて思ってなかったくらい。真帆しか見えなくなった。
野球に集中できないくらい
真帆のことが心配になった」