逃げてきた場所は、何の変哲も無い屋上。 「…何しに来たんだろう。」 暴走族と関わることは、もう一切してない。 しかも、あいつ等がここに潜り込んでまでしたいことは? …あたし以外に思いつかないのが難点だ…。 「見つけた。」 ちょん、と襟首を捕まえられて後ろを向く。 幹部の清(キヨ)。 チャラそうなピアスをつけた耳朶が目についた。 「相変わらず、逃げ足は早いね。」 「どうもありがとう。晶は?」 「さぁ?」 さぁ?って仮にもあんたの総長でしょうに。