口が無意識に開く。 どう見たって、年下じゃないガタイの良い男とチャラそうなピアス付きの男。 見覚えがある。 見覚え、という程度では無い。 関わり合いがある。 しかも、この二人は平和な私生活において支障をきたす恐れ有り。 西街で有名な昔からある暴走族の頭。 なんでここの高校私服なんだろうか。 いつか考えたのとは逆のことを心で呟き、早足で踵を返した。 「あ、早。」 「おい待て!」 待て、と言われて待つのは善良な人間か余程の馬鹿だけだ。