黒都は本当にホストを止めたらしい。 スーツ姿を見なくなって今日もパーカーを着ている。 「ついにヒモ?」 「ちゃんとバーテンやってるっつの。」 少し怒ったような顔をして、言う。 バーテン! と驚くあたしは、いつか『突撃!彼の職業!』で乗り込もうかとも考えた。 「何考えてるか大体分かる。」 「透視?千里眼?」 「なんか微妙に違ってるな。」 あたしの頭ではそれくらいの単語しか出てこない。 「夕飯、食ったか?」 職を変えても黒都の生活習慣は変わらないらしくいつもホテルに向かう。