駅に行くと、黒都の姿があった。 「…腹減った。」 何故か、あたしの姿を見ると人としての欲求を思い出すらしい。 「ファミレス行くぞ、ファミレス。」 くるりと繁華街の方向を向いた黒都は、歩き出した。 こうして見ても、黒都が情報屋には見えない。 ただのホストか単に顔の軽い青年に見える。 人は見た目で判断してはならないらしいけど、判断するのは見た目しかない。 「…なんか悩み事か?」 突然、降りかかってきた言葉に上を向く。 「え?」 素の口調で返すと、それに笑いながら黒都は答えた。