ほぼ一日に一回は現れるなずなは、やっぱり渡り廊下の幽霊だと思う。

そこ以外に、居たとこを見た事がない。

「最近…荒れてますね。」

「肌の調子?」

「四季さん、ボケ志望ですか?」

意味が分からない。

なんだかよく分からないなずなワールドに足を踏み入れる勇気もなく返事を返さないでいた。

「街です。よく繁華街の方で喧嘩見ません?」

「あぁ…そういうこと。」

「気付かなかったんですか?」

そんな訳じゃない。
気付かないフリをしていただけ。

あたしは立ち上がって、その話はしたくなかったから…黙って逃げた。